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 学術トピック 

​カロリー制限

11/13/2023

歯周病は口の中だけでなく循環系を介して全身にも炎症を引き起こすことがわかっています.ロンドンの研究チームは、1日500〜1300カロリーの食事制限が歯周病や全身の炎症疾患の改善に有効であることを報告しました.このことは,歯周病を患っている患者さん自身がカロリー制限を自ら実践することによって,歯医者さんで受けている歯周病治療の効果を向上できることを示唆するものです

​虫歯

10/25/2023

歯ではS.ミュータンス菌がひどい悪さをして虫歯ができるといわれていますが,ミュータンス菌がセレノモナス・スプティゲナという菌とパートナーを組むと大幅に力を増して虫歯がひどくなることがわかってきました.虫歯は世界中の子供と大人にとって最も一般的な慢性疾患です.虫歯の原因であるS.ミュータンスや他の酸を生成する細菌が歯みがきやその他の口内ケアによって除去されず、歯に歯垢(プラーク)が形成されると虫歯が発生します.プラーク内では、細菌は飲み物や食べ物からの糖分を消費して酸を出します.プラークが長時間そのままにされると、この酸が歯のエナメル質を溶かして穴があき,虫歯となります.S.スプティゲナは単独では虫歯を引き起こしませんが、S.ミュータンスと協力して虫歯のプロセスを大幅に増幅させる能力を持っているのです.S.ミュータンスは利用可能な糖を使用して、プラークの基質であるグルカンと呼ばれる粘り気のある構造物を構築することが知られています。S.スプティゲナはこれらのグルカンにひっつきます.一度ひっつくと、S.スプティゲナは急速に増殖しS.ミュータンスを包み込み「蜂の巣のような」超構造を形成します.その結果、酸の大幅な増産と濃縮が生じ、虫歯の深刻度が大幅に増します.このことは,S.スプティゲナが形成する超構造を壊すような酵素を探し出して応用すると虫歯を予防することに繋がります.

参考文献:Nat. Commun.  DOI: 10.1038/s41467-023-38346-3

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